池井戸潤箸『シャイロックの子供たち』感想レビュー
2023年2月17日より放映されている映画の原作
池井戸潤氏
『シャイロックの子供たち』
映画化は最近ですが、
原作自体は2006年刊行のようです。
舞台は、池井戸潤氏お得意の銀行です。
今までも彼の小説は読んだことがありますが、
この小説は少しテイストが違うかなと感じました。
「半沢直樹」のように、
"正義感あふれる主人公が
悪者に立ち向かい、
苦境に立たされながらも
最後には逆転勝利をおさめる"
といった展開を予想していましたが、
良い意味で期待を裏切られました。
そして、映画で主演を務めている阿部サダヲ氏が
誰を演じているのかわかりません
なぜそうなるのかと言うと
各章毎に主役が変わるからです。
短編小説のような構成になっているので、
そもそもこの小説の主人公がわかりません。
「主人公は誰なんだ!」
と不思議に思いながら読みましたが、
結局、読み終わった今でもわかりませんでした。
だからと言って面白くない訳ではありません。
家庭環境/出世/職場環境/人間関係などなど
ひとりひとりが抱える悩みを紹介しながら、
小さな支店で起きた現金紛失事件の真相を
解き明かしていきます。
そして、その裏には…
良い人だと思っていた人がそうではなく、
悪い人だと思っていた人がそうではなく、
容疑者も次々とかわり、
「そうなの〜 ???」と思わせるあたり
やはり池井戸潤ワールドですね。
非常に読みやすく、スリリングな内容だったので
2日間で読み終み終えることができました
最後に、
そもそも"シャイロック"とは何なんでしょうか?
シャイロックとは、
に登場する強欲な金貸し
だそうです。
読み終えると
タイトル『シャイロックの子供たち』
の意味が伝わってくる気がします。