読書が苦手な私が読んだ本

私は読書が苦手です。そんな私でも読めた本をご紹介します。実際に本を読んでもらいたいのでネタバレはしないように心掛けています。このブログを読んで「読んでみよう」と思う人が1人でも増えたら嬉しいです。

池井戸潤箸『シャイロックの子供たち』感想レビュー

2023年2月17日より放映されている映画の原作

 池井戸潤

 シャイロックの子供たち』

シャイロックの子供たち
ページ数…340ページ

映画化は最近ですが、

原作自体は2006年刊行のようです。


舞台は、池井戸潤氏お得意の銀行です。

今までも彼の小説は読んだことがありますが、

この小説は少しテイストが違うかなと感じました。


半沢直樹」のように、

   "正義感あふれる主人公が

  悪者に立ち向かい、

    苦境に立たされながらも

    最後には逆転勝利をおさめる"

といった展開を予想していましたが、

良い意味で期待を裏切られました。


そして、映画で主演を務めている阿部サダヲ氏が

誰を演じているのかわかりません


なぜそうなるのかと言うと

各章毎に主役が変わるからです。

短編小説のような構成になっているので、

そもそもこの小説の主人公がわかりません。

「主人公は誰なんだ!」

と不思議に思いながら読みましたが、

結局、読み終わった今でもわかりませんでした。

だからと言って面白くない訳ではありません。

家庭環境/出世/職場環境/人間関係などなど

ひとりひとりが抱える悩みを紹介しながら、

小さな支店で起きた現金紛失事件の真相を

解き明かしていきます。

そして、その裏には…


良い人だと思っていた人がそうではなく、

悪い人だと思っていた人がそうではなく、

容疑者も次々とかわり、

「そうなの〜 ???」と思わせるあたり

やはり池井戸潤ワールドですね。

 

非常に読みやすく、スリリングな内容だったので

2日間で読み終み終えることができました

最後に、

そもそも"シャイロック"とは何なんでしょうか?

 シャイロックとは、

  シェークスピアの戯曲「ヴェニスの商人

  に登場する強欲な金貸し

 だそうです。

読み終えると

タイトル『シャイロックの子供たち』

の意味が伝わってくる気がします。