安部龍太郎箸『家康(八)明国征服計画』感想レビュー
大河ドラマ「どうする家康」に触発されて読み始めた
安部龍太郎氏『家康』シリーズ
第八巻は
明国征服計画
です。
ページ数…366ページ
令和5年2月10日に刊行されたばかりです。
この巻で<前期>完結です。
秀吉と和睦を結んだ家康がどのような振る舞いをするのか知りたい気持ちが強かったので2日間で読み終えることができました。
第八巻のタイトルは"明国征服計画"ですが、その前にも物語があります。
この巻で、なぜ家康が江戸に居城を構えるのかがわかります。
でも幕府を開いたのは江戸。
なぜでしょう???
その疑問をこの巻は解決してくれます。
関東を治めていた北条氏が絡みます。
いろいろなことがあり、
江戸に転封することになった家康。
江戸城は家康が築城したと思っていましたが、
実際には太田道灌がかなり前に築城した城でした。
その後、北条家がその城を居城とし、最終的は家康が受け継ぎ、強固な城へと発展させたものでした。
八巻では「江戸入城」の章があり、その辺りは詳しく書かれています。
現在の皇居がある場所が江戸城だった訳ですが、
服部半蔵が家康に相談、報告する場所として
用意された屋敷があった場所が今の「半蔵門」なのだそうです
それ以外のことも書かれているので
「なるほど、そうだったんだ」と知る機会になると思います。
さて、いよいよ秀吉は明国出兵を決めます。
息子を失った秀吉の心痛による精神の乱れ
により決断をするのですが、
この決断が家康の心情を変えていきます。
第八巻ではここまでしか描かれていません
史実では明国出兵は失敗に終わります。
その後の経緯は第九巻以降で描かれるはずです。
ですが、九巻は2024年以降に刊行されるようです。
なので、
安部龍太郎氏『家康』シリーズはここで一旦休憩です。
九巻が刊行されたらまた読みたいと思います。