読書が苦手な私が読んだ本

私は読書が苦手です。そんな私でも読めた本をご紹介します。実際に本を読んでもらいたいのでネタバレはしないように心掛けています。このブログを読んで「読んでみよう」と思う人が1人でも増えたら嬉しいです。

東野圭吾最新作『あなたが誰かを殺した』あらすじ・感想

『あなたが誰かを殺した』

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著者  ;東野圭吾

発行日 ;2023年9月21日 第1刷発行

ページ数;309ページ

読了日 ;2023年10月6日

【評価】

● 文字数  ☆☆☆☆

● 読みやすさ★★★★★

● スリルさ ★★★★

● 恋愛要素 ☆☆☆☆☆

● スピード感★★★★★

【あらすじ】 ※ネタバレなし

山之内静枝、鷲尾春那、鷲尾英輔の山之内家。栗原正則、栗原由美子、栗原朋香の栗原家。櫻木洋一、櫻木千鶴、櫻木理恵、的場雅也の櫻木家。高塚俊策、高塚桂子、小坂均、小坂七海、小坂海斗の高塚家。8月のある日、この4家族15人が別荘地に集まった。各々の別荘地が近所ということもあり、毎年、BBQパーティーが開かれることになっていた。

山之内静枝は鷲尾春那の叔母、鷲尾英輔とは夫婦である。栗原朋香は正則と由美子の娘であり、年齢は14歳の中学3年生。櫻木洋一は総合病院の医院長であり、的場雅也は娘の理恵の婚約者。高塚俊策はいくつかの会社を経営しており、小坂均は俊策の下で働いている。BBQパーティーのメンバーは固定なわけではなく、誰かが誰かを連れてきたりすることもあるので初対面の人も存在する。今年のパーティーもつつがなく終了したが、その晩、鷲尾英輔、栗原正則、栗原由美子、櫻木洋一、高塚桂子が何者かに殺害され、的場雅也が刺されるという事件は起こった。一晩で5人が殺害され 、1人が重傷を負った事件の犯人捜しは難航するかに見えたが、別荘地の近くにある「鶴屋ホテル」 のレストランでディナーを食べていた男性が、自分が犯人であると自供し逮捕された。名前は桧川大志。桧川は死刑になりたいがために誰でもいいので殺害をしたと供述している。犯人逮捕により事件は解決したかに見えたが、なぜ自分の身内が殺害されなくてはいけなかったのかの真相を知りたいという遺族たちが独自で事件の究明をすることになった。集まった場所は、犯人が最後の晩餐をしていた「鶴屋ホテル」。1〜2名なら誰かを連れて来てもいいというルールが敷かれ、鷲尾春那は加賀恭一郎を同行されることにした。加賀恭一郎は警視庁捜査1課に所属する刑事で今は休暇中であった。「鶴屋ホテル」に集まった遺族たちによる事件究明の話し合いが開始される。

果たして、遺族は事件の真相にたどり着くことはできるのか?

桧川の真の狙いとは何だったのか?

桧川は本当に誰でもいいから殺害をしたのか?

一連の事件に見えていない裏の真相は存在しないのか?

この会の進行を任されたのは加賀刑事。加賀刑事の洞察力と推理力が冴える。遺族の人間性や過去や背景、遺族同士の関係性などの情報を聞き出し、矛盾点を整理し、鋭い仮説からをたて立証することで事件の真相に迫っていく。

【感想】

加賀シリーズの最新刊のようです。東野圭吾ワールド全開の作品で最後までワクワクが止まらない1冊でした。登場人物が多いので、最初のうちは関係性を理解するのに少し苦労しましたが、ひとつひとつ確認しながら読み進めていくうちに苦ではなくなりました。殺人事件が発生し、すぐに犯人が逮捕されてしまうという普通の展開とは少し違った切り口での始まりです。もしかして、この小説は犯人探しのストーリーではないのかもと考え、きっと別の切り口でのストーリー展開なんだろうと考えながら読んでいましたが、その予想を遥かに上回る展開と結末でした。ネタバレになるので詳細は書けませんが、犯人は別にも存在します。そしてその犯人は・・・。何気なく集まった4家族15名の知られざる過去や人間性も巧みに表現されていて、それがひとつずつ明らかになっていくときの気分の高揚感は半端ないです。そして、最後には大どんでん返しもあり、思わず「え!そうだったの???」と心の中で叫んでしまったほどです。本当に最後までドキドキしっぱなしでした。毎度のことながら、加賀恭一郎の冷静さと洞察力も冴えまくっています。加賀恭一郎シリーズが好きな人には堪らない1冊のはずです。加賀恭一郎シリーズを読んだことがない人でも次から次へと明らかになっていく事件の真相をスピード感持って楽しめますので、純粋に推理小説、ミステリーが好きな方にもおすすめの1冊です。ぜひ購読してみてください。