安部龍太郎箸『家康(五)本能寺の変』感想レビュー
大河ドラマ「どうする家康」に触発されて読み始めた
安部龍太郎氏『家康』シリーズ
第五巻は
いよいよ 本能寺の変
です。
ページ数…333ページ
家康の盟友・織田信長が倒れます
事態が大きく変わる局面です。
今回は3日ほどで読み終えました。
五巻は、本能寺の変の前後のストーリーです。
その時は家康は何も気づきませんでしたが、
後々、この二人の不穏な行動の意味を知ります
そして、本能寺の変当日です
どのように描かれるのか楽しみに読み進めました。
しかし何と⁉️
信長が本能寺で明智光秀に襲撃された部分は
たったの1行しか書かれていません
本多忠勝が家康に伝えた
「申し上げます。今日の明け方、
上様が惟任日向守の軍勢に襲われ、
ご生害なされました」
これだけです…
”惟任日向守”とは明智光秀のことです。
なんか拍子抜けな感じを受けましたが、
実際には、家康はその場にはいなかったですし、
この小説の主人公が徳川家康なのを考えると
適切な描き方だなと思うようになりました。
この小説で大切なのは
織田信長がどうように殺されたかというよりも
その後の家康の思考や行動です。
当初、家康が持っている情報は限られています。
何が起きてるのかを把握できず…
誰が身方なのかを判断することもできず…
自分の供は40人くらいしかいない中で、
どう行動すれば助かるのかを限られた情報から思案し判断しなくてはいけません。
まさに「どうする家康」です。
追手から逃れて何とか岡崎城に戻ることができます。
逃走中の襲撃や回避などはスピード感溢れる描写となっており、一気に読み進めることができます。
そして、救世主として「本田正信」が現れます。
ドラマでは既に活躍をしていますが、
この小説ではこの場面から活躍し家康を救います。
「お、ここで出てくるのか!」
と少し嬉しくなりました。
岡崎城に戻り、情報が集まってくると
徐々に全体像がわかってきます。
信長亡き後、豊臣秀吉が頭角を表してきます。
ここでも家康はどう立ち居振る舞うのか悩みます。
これからは秀吉との駆け引きが始まります。
第六巻は 小牧・長久手の戦い です。