[読書感想文]古野まほろ 文庫「新任警視(上)」感想レビュー
古野まほろ「新任警視」を読んでみました。
上下巻あるうちの上巻を読み終えたので感想を書きます。
ページ数;494ページ
発行日;令和5年4月1日
書店に行き、帯のコメントを見て「読んでみたい」と思いました。
公安警察vs.カルト宗教
元警察キャリアの著者による
究極の警察ミステリ!!
主人公は東大法学部卒業のエリート司馬逹(シバトオル)25歳。
警察庁に入庁4年目で新たな勤務先への内示をもらう教場からスタートします。
彼は愛予県(おそらく愛媛県と思われる)警察本部の公安課の課長として着任します。
そして、着任直前、前任の公安課長が何者かに殺害されるという事件が起きます。
その犯人と疑われているのがカルト宗教団です。
そのカルト宗教団の総本山が愛予県にあるということで、彼は着任早々、殺害された前任者の敵討ちとカルト宗教団の総統という任務を課せられます。
ただ、上巻ではその事件の真相や解決に向けての進展は一切ありません。
494ページもありますが、
序章. ;人事異動
第1章;警察庁
第2章;愛予県警察本部
第3章;公安課長
の構成しかありません。
そして、それぞれの章では、状況説明が非常に多く、ストーリー展開がゆっくりです。
例えば、第2章の愛予警察本部の章では、彼が担当する公安課に存在する六つの各班の役割、構成人員、業務概要を今節丁寧に紹介している箇所があります。
これがこの後のストーリーにどれだけ影響をするのだと疑問に思いながら読みましたが、状況説明は、言うなれば教科書的な説明に近いので、正直、頭にはあまり入って来ませんでした。そして、あまりに進捗が遅いのと重要性を理解できなかったので、途中から読み飛ばし、読み流しをしてしまいました。
それでも物語の大筋には問題ないと信じています。
「信じています」と書いたのは、まだ下巻を読んでいないので全体感を完璧に把握できていないからです。
そうは言っても気になる部分はあります。
彼は妻帯者であり、奥様が妊娠中でありながらも特定の女性と関係を持っています。
そして、その女性の勤務先が愛予県の大学。
小説ならでは展開です。
この女性との今後の関係と進展については興味があります。
もちろん、物語の軸である(と信じていますが)カルト宗教団との争いと殺害された前任者の敵討ちの行く末は気になります。
その気持ちを下巻ではしっかりと晴らしてくれることを期待して下巻を読みたいと思います。
本来であれば、上下巻を読んで全てを把握した上で感想を書くべきか思いましたが、上巻を読んだ後の不完全燃焼感をしっかりと伝えた上で、下巻がどういった展開となり、私が気になっている部分を解消してくれるかを確かめ、次のブログでその結果を伝えたいと思い、敢えて、上巻だけの感想を書かせて頂きました。
是非、下巻の感想も楽しみに待っていてください。