読書が苦手な私が読んだ本

私は読書が苦手です。そんな私でも読めた本をご紹介します。実際に本を読んでもらいたいのでネタバレはしないように心掛けています。このブログを読んで「読んでみよう」と思う人が1人でも増えたら嬉しいです。

アメトーク読書芸人推薦 小川哲「君のクイズ」感想レビュー

先日のアメトーク「読書芸人」で紹介されていました。

小川哲「君のクイズ」


君のクイズ [ 小川哲 ]

ページ数;189ページ

発行日;2022年10月30日

   (2023年3月10日 第7刷発行)

読了日;2023年4月24日

【評価】

● ページ数 ★★☆☆☆

● 文字数  ★☆☆☆☆

● 状況説明量☆☆☆☆☆

● 読みやすさ★★★★☆

● スリルさ ★★★☆☆

● 恋愛要素 ☆☆☆☆☆

●スピード感★★☆☆☆

【あらすじ】

クイズオタクである主人公三島玲央は、あるクイズ番組のファイナリストとして決勝の舞台に立っていました。このクイズ番組はテレビの生放送でオンエアされています。対戦相手は本庄絆。7○3×で勝負が決します。つまり先に7問正解するか、相手が3問不正解になれば勝てる早押しクイズ対決です。対戦成績は6−6の五分。最後の1問で優勝者が決定する場面です。アナウンサーの「問題ー」という発声の直後、まだ問題文が読まれる前に本庄絆がボタンを押して解答してしまう。(これをクイズ業界では『ゼロ文字押し』と言うらしい) そして、見事に正解!優勝は本庄絆に決定します。

というところから物語がスタートします。

なぜ本庄絆は問題文を聞くことなく解答をできたのだろうか。その謎を三島玲央は解明していきます。

ヤラセだったの…

本庄絆に特殊な能力が備わっているのか…、

ただのまぐれだったのか…

果たして真相はいかに!

【感想】

いきなり問題提起から始まったなという印象です。

“なぜ本庄絆は問題文を聞かずに正解を答えることができたのか?“

この疑問が常に頭から離れない状態で読み進めることになりました。なのでストーリーは非常にシンプルです。謎を解き明かしていく過程も十分におもしろいのですが、私が特におもしろいと感じたポイントは、クイズに解答する、つまり答えを見つけると言うことのメカニズムを非常に論理的に分かりやすく説明してくれているところです。

例えば、問題文には“確定ポイント“と言うポイントがあるそうです。問題文を聞き進めていくことで答えの選択肢が狭まり、一つに絞り込めたところでボタンを押す。そのポイントが“確定ポイント“と言うそうです。そのポイントが早ければ早いほど解答権を得るチャンスが増えます。そのポイントを早くするためにクイズオタクの人たちは日々訓練をしているそうです。言われてみればその通りなんですが、今までそんなことを真剣に考えたことはなかったので、改めて文字でロジカルに説明をされた部分に新たな発見とおもしろ味を感じました。これ以外にもクイズに正解するとはどういったメカニズムなのかを分かりやすく説明してくれています。

“確定ポイント“の理屈からいくと『一文字押し』が最短であることが常識だと思われていましたが、本庄絆は『ゼロ文字押し』をやってみせ、見事に正解してみせたのです。そりゃ驚きますよね。その謎はしっかりと解決してくれますので安心してください。

キーとなる登場人物は3人います。三島玲央と本庄絆、そしてもう1人がクイズ番組の総合演出の坂田泰彦。各人がそれぞれの環境下で違った目的を持ってこのクイズ番組に関わっていたことも判明します。

最後に三島玲央は「ずばり、クイズとは何でしょう?」と言う問題に「クイズとは人生である」と解答しています。その他の2人にとってクイズとは何だったんでしょうか?

ぜひ、読んで確認をしてみてください。