[読書感想]古野まほろ 新任シリーズ 文庫「新任警視(下)」感想レビュー
上巻に続き、古野まほろ「新任警視」下巻を読み終えました。
ページ数;523ページ
発行日;令和5年4月1日
下巻は、
第4章;警備犯罪
第5章;事件検挙
第6章;更迭
第7章;離任
終章. ;人事異動
で構成されています。
上下巻を読んだ感想を一言で表現すると「ヒジョーに辛かった」です。
上巻の感想をご覧になっていない方はこちらをご覧ください。
この本は“読書が苦手な私“には非常にハードルが高いということを痛感させられました。
なぜなら、
①ページ数が多い
上下巻で1,000ページ越え!
②文字数が多い
びっしり文字が書かれているページが多い!
③専門用語が多い
著者が元警察官(しかもキャリア警察官僚)であったため、聞き慣れない警察用語が多い!
④状況説明が多い
上巻の感想でも書きましたが、状況説明が多いので集中力が続かない!
⑤ストーリー展開が遅い
状況説明が多く描写が細かいため、なかなか話が進まなく、イライラする!
などなど。。。
残念ながら、私には十分に読みこなすことができませんでした。
あまりの状況説明の多さと話の展開の遅さに読み飛ばしてしまった部分も多々ありますし、途中で読むのを断念しようかとも思いました。
それくらいしんどく、気持ちも落ち込みながら読んでいました。
しか〜し、
その暗い気持ちは「第6章;更迭」を読み始めたら一気に晴れました。
残り170ページからは今までの展開の遅さが嘘のようにスピーディーに物語が進みだします。
主人公である愛予県警察本部の公安課長の司馬逹のミッションは、カルト宗教団に殺された前任者の敵討ちとカルト宗教団の掃討です。
そのミッションが第6章以降に一気に達成されていきます。
その達成の仕方がすごく爽快ですし、「そうだったの〜!」と驚かされるところが多々あります。
そして、全ての伏線が回収されていきます。
読み飛ばしてしまったり、読み流してしまった部分もありましたが、それでも十分に伏線回収を楽しむことができました。
そして、私が気になっていたある女性との関係性についてですが、こちらの伏線ももちろんしっかりと回収していきます。こちらも「そうだったの〜」と思わず唸ってしまう展開です。
上巻と下巻の途中(合わせて800ページくらい)まで抱いていたモヤモヤな気持ちと何とも言えない不完全燃焼感は最終的には晴らすことができましたが、辛抱強い忍耐力と高度な読解能力を要する本であることには変わりないと思います。読書が苦手な方は覚悟を持って読んでください。その覚悟がない方は避けたほうが良いかもしれません。
ただ、警察、特に公安がターゲットを検挙するためには、まずは何でもいいので「事件化」する必要があるということを知りました。そのためにはどんな些細なことでも見落とさない徹底した捜査と諦めない気持ちが重要ですが、それは決して容易なことではなく、非常に難しいということは伝わってきました。
小説ではありますが、おそらく現実世界でも同様なんだろうというと想像できました。
最後に...
状況説明が多く描写が多いこの手の小説は、映像で表現したら絶対におもしろくなると確信しました。
是非ドラマ化か映画化をしてほしい!